
冬こそ?読書
寒くなると読みたくなる本、皆さんはありますか? 僕はいくつかあります。
まずは「マークスの山」(高村薫、講談社文庫)。連続殺人事件が進みながら、容疑者の心の闇「暗い山」が繰り返し描かれる。南アルプスの冬山の風景は厳しく荒々しいがどこまでも静謐。内容はかなり重いのに、一級品のミステリーとして楽しめる。寒くなると手が伸びる。
次は大人になってから出合った絵本「急行『北極号』」(クリス・バン・オールズバーグ、あすなろ書房)。クリスマスイブの夜、家の前に止まった汽車に乗った男の子が体験する不思議な出来事が描かれる。手に取ったきっかけは村上春樹の訳だったからだが、絵も含めてすっかりお気に入りになった。子どもの心を忘れ、思い出せなくなった大人たちにこそ、お薦めです。
最後は「34丁目の奇跡」(バレンタイン・デイビス、あすなろ書房)。サンタクロースは実在するのかがテーマの物語だが、じんわりとほっこりするというか、いろいろ頑張ろうという気持ちになれる。映画を見て本を買い、何度も読み返したのに、今回本棚を探してみたらどうしても見つからない…。どこにいったんだろう。
本ではないが、映画「ホーム・アローン」も外せない。本当に冬になると見たくなるのか、クリスマスの度に放送されるからそう思うだけなのか、判断が難しいところだが、とにかくこの時季にはぴったり。ピタゴラスイッチ的な仕掛けの数々は何度見ても楽しい。しかし、マコーレー・カルキンって本当にかわいかったなあ。
そういえば、「ノルウェイの森」(村上春樹、講談社)も冬、というかクリスマスの本。なんせ、上下巻が赤と緑一色ずつで完全にクリスマスカラーですから。
自分が好きな本、薦めたい本の話ばかり書いてきて統一性も何もなかったですが、ただただ楽しかったです。皆さん、お気に入りの本と共に、良いお年をお迎えください。