この本大分本

「姉妹都市の大分本」

Jeanine Marie Plumer「HAUNTED AUSTIN」The History Press

姉妹都市の大分本

 テキサスはアメリカの怖い田舎というイメージがある。たぶん1974年公開の「ザ・テキサス・チェーンソー・マサカー(邦題:悪魔のいけにえ)」の影響だろう。

 あらすじは次のような感じだ。テキサスの片田舎を車で旅する男女5人組。途中、車の燃料を求めてたどり着いた家は殺人鬼の家だった。そして助けを求めたガソリンスタンドの店主も…という救いのない話である。

 おかげで、テキサス→田舎→怖いの思考回路になっているのだが、テキサスの州都オースティンはわれらが大分市の姉妹友好都市である。ここで観光案内書やグルメ本の紹介といきたいところだが、私としてはテキサス・オースティンの怖さを深掘りしてみたい。

 それにうってつけの本がある。「HAUNTED AUSTIN」、オースティンの心霊スポットをまとめたガイドブックである。表紙を飾るのは全米屈指の心霊スポット、ホテル「ザ・ドリスキル」。創立は1886年だが今も営業中、というより、クリントン元大統領をはじめ世界のセレブ御用達のホテルなのだ。歴史が長いだけに、いくつもの事件事故が起きており、それが心霊話のもとになっている。本書が取り上げるのは「恐怖の525号室」の話。この部屋で複数の女性が相次いで不幸な死を遂げ、その霊が今もさまよっているというのだ。

 このホテル以外もぞっとするところばかりだ。幽霊の目撃談が絶えないテキサス州会議事堂、85年に発生した連続殺人事件の犠牲者たちが眠る墓地などなど。ちなみにこの事件の犯人(通称ミッドナイト・アサシン)はいまだ謎のまま、手口の類似性から米国初のシリアルキラー(連続殺人犯)だったのではといわれている。

 ネットで検索すると、これらのスポットを巡るツアーがいくつも存在する。少し郊外に行けば「悪魔のいけにえ」の舞台となったガソリンスタンドもある。姉妹都市オースティンに行かれる場合は、テキサスの恐怖を満喫するため合わせて巡ってみては。

本仏お

本仏お

「連載タイトル / この本大分本」 大分市・1977年生まれ。経営コンサルタント。大分本2千冊と大分パンフ4千部、大分絵はがき6千枚に囲まれた生活を送る。

関連記事

新着記事

TOP